友人の弟
友人の弟
弟が自殺をした 練炭自殺である
ことの始まりは 二年前の離婚
妻が男をつくり 7歳の子供から事実を聞かされる
子供の親権は 妻のほうへいく
ネットゲームをする 双子の兄弟の話である
離婚後 精神科へ通う
弟は 病院に通うが自分自身が病気だとは思っていない
ただ 言葉に出来ない怒りや寂しさを医師に代弁してもらうしかなかった
弟は 仕事を辞め一人暮らしをしながら ネットゲームを楽しんでいる
ゲームには メインキャラとサブキャラがあり
弟は サブを嫁として演じ
ゲーム仲間にも 離婚した事やサブを自分で演じていることを
伝えなかった
弟は なぜ 仲間に嘘を使わなければいけなかったのだろう
弟は 精神が ずれ始めている
過去で一番良かった時に逃げ込み
世界の意味を考え 自分に価値がないと念じ
自発的に何かをするのではなく
傷つけていく事に喜びを感じていく
兄は 弟から生きる意味は何なのだっと聴かれるが
答えるべきではない
弟は 生きたい意味を捜しているように見えるが本当は違う
死にたいのだ
ただ 死ぬ理由を捜している
そして悲願がかなう
二年の月日をかけ蓄積された物が開花する
きっと 桜のように艶やかだろう
最後の時 ゲームにインするが
すぐにゲームを終了する
そして そのあと 死ぬ
二年間積み重ねた思いは 家族を巻き込み
兄の心に 深い傷をつける
泣き続ける兄
兄もまた 自分自身を傷つける
すべてのしがらみから 解放される心
自由はないが 悲しみもない
これも また真剣に生きた 命なのである
責めるべき物はない
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Category: 友人の弟
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