キメラ サイコロジー1
キメラ サイコロジー1
ごみ溜めに落とされた私
臭い 苦しい 醜い
すべてのものが ここにはある
ここは私一人 誰もいない
身を切る寒さ 飢え
ただ 震えるだけの場所 「闇」
私が 初めて自分について知ったのは
何かに 駆り立てられる様に人間に声をかけた時だった
でも その時 その期待とは関係なく何も返ってくる事はなかった
汚い部屋 野良犬の様な親
そのかたわらで私は生きていた
私は臭い きっと クラスのみんなが言うのだからそうなのだろう
私は 自分が見つけた場所へ逃げた
そして 小さな穴を掘り その穴の中で じっと息を殺す様になった
そして長い長い時が過ぎた
日差しはここまで届かない
かすかな明かりも消えていく 私は押し込められる様に
穴の奥へ落ちていく
暗く 暗く 誰にも知られずに
だが ある日 私の穴に奇妙なものが現れる
初めて見るいじめ
私は氷付いた
何も出来ないまま 時間だけが過ぎていく
それは 次から次へと行われる 私の穴は狭くなり
私は 穴の中でうずもれていた
押しつぶされながら 誰にも知られずに
つづく