老人
老人
ある初老の男は 博学と地位を保証された人間だった
霊など信じるはずがない・・・・
だが この男が霊を信じるようになる
それは ある偶然にある
男は積み重なる 偶然の理由が解らず
うやむやにした結果
周りに 霊の仕業なだと言うようになり
気がつくと 男は刷り込まれるように
霊と言う言葉を使うようになった
認知力の低下は 周りに依存してしまう
昨日の夕食は魚だったが
周りが肉だと言うと
男も肉だったと言う様になり
一度 崩れた認識力で自分の記憶を疑い
自信を持てなくなった結果
周りの目を気にするようになる
大人から老人になる時である
力とは 悪であり破壊である
男が 使っていた言葉であるが
今は 見る影もない
・・・・もう 忘れてしまったのだろうか
老け込んでいく老人
死期が近い老人は 死ぬ準備をするために
友人に会いに行く
そこで 一人の少女と出会う
少女には 右腕と右目がない
痛々しい姿とは別に 明るく陽気な少女は
老人を 崖まで連れて行く
崖の淵から下を覗き込む
吸い込まれそうな高さと真っ青な海
胸をわしづかみするような 老人は胸の高鳴りを感じていた
老人の友人と私は話をしたが
少女は ずっと前に死んでいたし怪我もしていない
老人は 友人に会っていたのだろうか・・・・
では なぜ 会いに行ったと言ったのだ
夢でも見ていたのか
それを病院で老人と話なす・・・・が
老人の 記憶は壊れ偽造されている可能性がある
ここに 人間の倫理を超える答えと
霊のヒントが あるような気がするが・・・・
老人が死んだ以上 聞くすべはもう・・・・なくなってしまった
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Category: 老人
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